刑務所が医療福祉施設化??その実態とは、、、

はじめに。。。 

 

先日、クローズアップ現代で「刑務所が終の棲家に⁈おひとり様が危ない」を放送されており医療・介護福祉領域に勤める者として大変興味深く拝見させてもらいました。

      https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4282/index.html

                             5/21(火) 22:00~

 

あらすじ

ひとり暮らしの高齢者が増え続ける中、貧困・孤立・認知症などを抱え、万引きなどの犯罪を繰り返し、刑務所が居場所になってしまう人が目立って増えている。とりわけ、男性よりも寿命が長く、ひとり暮らしの数も男性の2倍という高齢女性が深刻だ。刑務所、そして出所後の高齢者の密着ルポからその実態に迫る。

 

というものでした。

詳細は、上にリンクを貼らせていただきましたのでご参照下さい。

 

見ていての感想。

「えっ?ここって本当に刑務所?介護施設化していてびっくり」( ゚Д゚)

「刑務所内にもリハビリ職員が派遣されてサービスを提供するようになってるのか!」

「老後になったら誰しもあり得ることだなー。他人事ではないなー。」

 

刑務所の事に関しては、全く別世界のお話だと考えていたのですがどうやらそうではないようでした。超高齢化と世界に先駆けてどんどんと高齢化率が上昇していく日本。

これからの未来に向けて、実態について考えていきたいと思います。

 

 

刑務所の中は今どうなっているのか。。。

  

下は、平成元年から28年までの新受刑者の年代別内訳です。

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 資料)2017年12/19「老いる受刑者変わる刑務所」(NHK)

 

20~30代の新受刑者が減少しているのに対して、高齢者が10倍に増加しているようです。又、ヨーロッパ各国と比較しても日本は高齢者の割合が高くなっています。犯罪の内容としては、「万引き」が非常に多くて、又再犯率が高いようです。

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資料)2017年12/19「老いる受刑者変わる刑務所」(NHK)

 

万引きの理由についてです。 

f:id:INOSHISHI:20190602063139p:plain 資料)2019年5/21「クローズアップ現代」(NHK)

 

❛福祉分野で「困っている人」というのには共通点が2つあると言われているんですが、1つは「いろんな課題が重なっている」。例えば「困窮してる」「経済的に苦しい」ことと「病気が重なる」とか、あるいは「自分の大事な家族が亡くなる」「離別をする」というような「困難が重なる」ということ。もう1つは「社会から孤立をしている」ことが共通点だと言われているんですけれど、この調査結果を見てもよく分かりますね❜

 

それらの実態を受けて政府は、「再犯防止計画」(2017年12/15)の中のポイントの1つとして高齢者への対策強化を盛り込んでいました。

 

 ①関係機関における福祉的支援の実施体制等の充実

 ②保健医療・福祉サービスの利用に関する地方公共団体等との連携の強化

 ③高齢者又は障害のある者等への効果的な入口支援の実施

 

内容については、

入所中は、必要な人に適宜アセスメントを行い、介護福祉サービスの提供をする。適切な関りができるように中にいる職員への教育をする。

釈放後に、再犯させることがないように保健医療・福祉サービスへつなげられるような対応を講じる。そもそも、入所させる前に水際で食い止められるように、地域でも連携を図り適切な対応方法をとれるよう教育する。

 

 というような、負の回転扉を食い止められるようにするためのシームレスな関りができるように盛り込まれていました。

 

 

今後についてはどうなっていくのか。。。

 

❛罪を犯した人たちは、私たちと全く同じ人間です。彼らを、仮に刑務所に入れても、必ず社会に戻ってくるんです。自分もいつ、ああなるか分からない。社会的に孤立してしまった時に、あるいは認知症になった時に、もしかしたら、そうなるかもしれないということに気が付いてもらって、自分の問題として、きちっと考えてもらうことが何よりも大切です❜

 

❛「刑務所から出てきた人たちにとって一番大事なことは何か」ということでよく言われるのは「居場所」「出番」。味方がいて、自分が居づらくない場所があるということと、それだけではなくて、自分が少しでも誰かの役に立てるとか、誰かに感謝される、「ありがとう」と言ってもらえる場所が大事だと言われています。これは、定年退職したお父さんも同じ。だから、みんな同じだと思うんです。「居場所」「出番」を作っていくことが大事だと思います❜

 

 

 居場所役割作り

 

ありのままの自分を認めて安心できる場所があって、自分のできる役割がもてること。

 

これをマズローの欲求」に当てはめてみたいと思います。

すると、それが満たされることで人の欲求での「欠乏欲求」が満たされることにつながっているのではないでしょうか。

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安心できる場があり自分の役割があることで、他者への関心が向き人の為に何かをしよう!とか、もっと自分自身を高めていこう!という気持ちが芽生えていくのではないでしょうか。

 

最後に。。。

アドラー氏が

人間の悩みは全て対人関係の悩みである

と、提言されています。(参考書籍:嫌われる勇気)

 

詳細は割愛させていただきますが、人は基本的には孤独には耐えられないし、だから他者と関係を持たなければ生きていけない生物である。

他者に対して、愛着を感じるのか敵対心をもつのか。それによって、生きやすさも変わってくると思います。

今回の話題に当てはめてみると、自分の居場所や役割を持ち続けるためには、他者を受け入れ認めること、最低限度でも関りを持つことが大事なのかなぁなんて考えました。

 

皆様はどのように考えられておりますでしょうか?

 

 

ここまで、長々と読んでくださりありがとうございました。