片足立ちと歩行と筋力

運動に関して、これまで「体幹トレ」「姿勢」についてその有効性を記事で書かせていただきました。

 

今回は、「片足立ち」をテーマに健康維持やパフォーマンス向上のために役に立つ情報を書かせていただきたいと思います。

 

最初にこちらの画像をご覧ください。 

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2019年7月号の「ランナーズ」の表紙です(マラソンに関する情報誌)。この中に「片足立ち」の有効性について取り上げられております。

 

“ランニングの動作は「片足立ち」と「ジャンプ」の繰り返しですよね。だから、「片足立ち」をした時に身体の「グラつき」を抑えられるようになるとランニング中、着地した瞬間の「グラつき」もなくなる。”          一部抜粋

 

 

ということで、今回は「片足立ち」をテーマに記事を書いていきたいと思います。

 

 

【内容】

●なんで歩くのが遅くなったり、物につまづいて転びそうになってしまうのだろうか

●片足立ちをすること

●片足立ちの効果

●習慣化することでこのようにパフォーマンスを改善できる

 

 

 

●なんで歩くのが遅くなったり、物につまづいて転びそうになってしまうのだろうか。。。

 

歩き方で、ちょこちょこ小股歩きになっていたり足が床から上がらずにすり足になってしまう事はないでしょうか。

障害物では、段差を跨ごうとして足が引っかかったり、傾斜に足がとられそうになることはないでしょうか。

 

原因疾患がない場合には、それは筋力低下バランス能力の低下が考えられます。

 

以前の「姿勢」の記事体幹筋力についての内容を記載したので筋力低下に関しては、そちらも参照下さい。

 

バランス能力については、リハビリの現場の中でも評価項目として取り上げられています。高齢者のサルコペニア(虚弱体質)を簡易的に検査するためのShort Physical Performance Battery(SPPB)にも入っています。又、転倒するリスクを調べるバランス検査のFunctional Balance Scale(FBS)も同様です。

その中では、バランスをとる姿勢も段階的にレベルが異なるのですが、その中で「片足立ち」はレベルの高い姿勢となります。

 

 したがって、片足立ちをとることは転倒予防につながり、更に日常でのパフォーマンスを向上させる可能性を持っていることになるのです。

 

 

●片足立ちをすること。。。

 

“60 歳を過ぎると開眼片足立ちは急激に減少し,5 秒以内の者は転倒ハイリスク者とされている ”

 

つまり加齢と共に低下してしまう能力で、転倒との関連性が高いのです。

 

こちらは、20歳~59歳までの男女の閉眼片足立ちの能力の基準値の表です。

(60歳以上のデータは見つけられることができませんでした。)

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こちらも、25歳~29歳をピークに下降線をたどっています。

片足立ちを長時間取れることは、転倒なく元気に生活を送ることができるのです。

 

“「まともな歩き方」は、踵を床につけて安定した片足立ちを行い、反対側の足が床についたときに一時的に両足立ちになり、その後、重さのかかっていた踵を浮かせ不安定にして前に移動し、再び片足立ちをしています。”

 

つまり、歩行しいては走行についても片足立ちが関係してくるのです。

 

●片足立ちの効果。。。

 

“重心の動揺を吸収できる体(関節や筋肉)の柔軟性やブレに耐えられる大腰筋などの体幹支持筋の筋力なども関わっており、ストレッチや筋トレも効果的です。さらに、片足立ちなどのトレーニングをすることで、より少ない筋緊張でバランスがとれるようになることも解っています。”

                                                  

“1分間の開眼立ちを1日に3回(左右で計6回)行うと、太ももの付け根に加わる負荷量は、理論上はなんと、両足で53.3分間歩いたのと同じだというデータがあります。これにより骨が強くなって、転倒防止効果も高まります。”

 

“体を動かすと血流が良くなり、病気だけでなくストレスの発散や精神安定にも一定の効果が見られます。運動は脳にもある程度の刺激を与えるので、もの忘れや認知症の予防にも役に立つと言われています。“

 

体幹筋の筋力向上、筋出力の省エネが期待できます。

・骨が強くなります。

・精神の賦活、認知症予防にもつながります。

 

●習慣化することでこのようにパフォーマンスを改善できる。。。

 

片足立ち

やり方は、腰に手を当てて片足をゆっくり上げて10秒間静止後、ゆっくり下ろします。

いつでもどこでも、回数も何回でもOKみたいです。

 

普段の姿勢を意識して、体幹筋が働きやすい状態にして、時々片足立ちを日常に取り入れることで健康維持・向上、運動能力の向上につながると思います。

 

 

 【引用・参考文献】

 ・ Vellas BJ, Wayne SJ, Romero L, et al.: One-leg balance is an important predictor of
  injurious falls in older persons. J Am Geriatr Soc 45: 735-738, 1997.

 ・日本健康運動研究所HP「健康運動の知識と実践より」

日本医師会HP「健康トピックス」

・日本介護予防協会HP「高齢者にぴったりの運動やレクリエーション」

日本経済新聞 HP「筋力維持に30代から始めたい「片足立ち」」

良い姿勢を保つことは心身を健康に保ちやすくなる

前回、体幹を鍛えると疲れにくく動きやすい身体作りができるという事をブログで書かせていただきましたが、体幹の筋トレを行うにあたり意識しておいた方が良いと思われる「姿勢」について今回は記載したいと思います。 

 

 

今回のテーマは、姿勢 です。

姿勢についての目次

●姿勢とは

●不良姿勢とは、又その原因と改善すべき理由について

●理想的な姿勢とは

●エクササイズ

 

以上の内容で進行していきたいと思います。

 

 

姿勢とは。。。

 

姿勢とは、「体位」「構え」のことです。

体位とは、寝ている姿勢・座っている姿勢・立っている時の姿勢などです。

構えとは、頭や体幹や手足の部位の相対的な位置関係にあたります。

 

なので、姿勢を考える時の体位でどんな構えをしているのかを意識することがとても大事だと思われます。

 

 

不良姿勢とは、又その原因と改善すべき理由について。。。

 

そもそも不良姿勢ってどんな姿勢なのでしょうか。

イラストをご覧ください。女性と男の子がいますが、左右で何が違うか少し考えてみて下さい。(ちなみに、左がわるい姿勢で右がよい姿勢です)

 

               

 

              f:id:INOSHISHI:20190619063319p:plain

 

 

考えていただきありがとうございます。

 

左右の違いとして、

・背骨がまっすぐになっているか、それともカーブを描くように曲がっているか

・頭が背骨に乗っているか、それともずれているか

・お尻がきゅっとしているか、それともだらんとしているか

 

になります。

 

原因は、

“不良姿勢のきっかけは、日常生活のちょっとしたクセや無意識のうちに身についた動かしやすい運動方向への反復運動、同じ姿勢をとり続けることで筋肉が緊張し、収縮した状態が持続してしまうことで起こります。”

 

“原因は、ライフスタイルやこれまでやってきたスポーツ、趣味、ケガの既往など様々です。”

 

 なぜ不良姿勢がよくないのでしょうか

 

・力学的に不安定なためパフォーマンスが上がりにくい

・頭痛、肩こり、腰痛など特定部位に負担がかかり身体の部位に痛みが生じる

・関節に負担がかかり運動機能障害を招く要因になる

・気持ち的に不安や劣等感などのマイナスな心理状態につながりやすい

・見た目があまり美しくない

  

このように、身体だけでなく心理的にも外見的にも影響を与えてしまいます。

 

理想的な姿勢とは。。。

 

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背骨は、緩やかなS字カーブをえがいている。

骨盤は、骨の上部(なだらかな曲線)の中央が重心におさまっている。

肩甲骨は、背骨に対しての距離は5~7cm(男女差あり)である。

 

もし、言葉だけでは分かりにくい場合には下記の実験を行い肩甲骨と骨盤の位置がどのような状態なのかを確認してみて下さい。

 

【肩甲骨と骨盤の位置ズレ発見の実験】

 

・肩甲骨の位置ズレ

①何度か腕振りした後、自然な立位で止まります。

②手や腕の位置を見ます。

③手、腕が体幹の真横だと位置は正常です。前後にずれがある場合はズレがあります。

 

・骨盤の位置ズレ

①その場で何度か足踏みをして自然な立位で止まります。

②横からベルトのラインがどうかを見ます。

③ベルトのラインがやや前方傾斜だと位置は正常です。前方傾斜すぎる、後方傾斜の場合はズレがあります。

④足先を見て立ち位置に左右差があれば骨盤の傾きにも左右差があることになります。

 

エクササイズ。。。

 

”胸を張るよりも肩甲骨を意識することです。多くの人が長時間のパソコンやスマホ操作のために肩が前に入り、肩甲骨周りが広がっています。つまり胸の大胸筋が縮んでしまっているんです。それが猫背の原因ですが、是正するにはまず腰に軽く手を当てて、肩甲骨を背骨に寄せるようにします。”

 

”そして自然に肩周りの力を抜き、頚椎の上に頭部がのるように意識します。すると横から見た時に、背骨が自然なS字を描く姿勢をつくることができるのです。”

 

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 背骨に対して肩甲骨が寄ることで、自然と頭からお尻にかけてのラインが修正されやすくなります。そうすると、骨盤もやや前方傾斜に自然に修正されやすくなります。

 

ずっとその位置をキープすることは慣れないうちは大変だと思うので、時々意識的に少し合間にエクササイズとして取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

体幹の筋トレを実践する前に、まずは日常での姿勢の見直しを行い「良い姿勢」に近づけることで必然的に体幹の筋肉にも刺激が入り効率的に筋力維持・向上に努めることができると思います。  

 

長々と読んで下さりありがとうございましたm(__)m

 

 

 

 

【 参考・引用文献】

・「正しい姿勢」をキープ:日経STYLE

・姿勢の教科書:竹井仁著

・標準徒手医学会マガジン

 

体幹トレーニングって良いの??

体幹を鍛えると良い??

 

本屋の筋トレコーナーを見ると、よく目にする「体幹を鍛えると良い」という宣伝を目にします。体幹の筋トレって何だか良さそうだけど、「なんだか地味だしなー。」とか、「目に見える筋肉(大胸筋とか上腕二頭筋とか広背筋とか…)を鍛えた方が格好いいしなぁ。」とか思う方もいらっしゃるかと思います。

 

私も元々そんな風に思っていました。

ですが、ランニングを始めるようになって走った後に膝が痛くなったり身体が重かったりどうにか痛みなく効率良く走れないものかと悩んでいました。

 

👇そんな時に出逢ったのがこちらの本です。

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こちらの著者はNHKのマラソン番組でよくお見掛けする方です。

走るにあたり、「体幹」というのがいかに大事なのかというのが記載されております。体幹の鍛え方や目覚めさせ方、体幹を使った走り方を具体的な方法やポイントも書いてあり分かりやすかったです。

 

実践してみて、今まで足だけで頑張ろうとしていたのが体幹がうまく働かせられることで上半身と下半身の運動連鎖が起こり、全身を使って効率的に走れるようになり楽になりました。勿論、膝の痛みも出ることはなくなりました。

又、日常生活でも座ったり立ったりしている時に姿勢も矯正され姿勢保持も楽々で、階段も昇降が楽々になりました。

 

 体幹の筋肉って? 鍛えるとは??

 

 脊椎の動的安定化を支えるのが体幹部の筋肉の役割になります。

これがうまく機能しないと、四肢の運動によって脊椎が不安定になってしまう事になります。そうすると、脊椎に非対称性の力が加わり、障害を引き起こすことにつながってしまうのです。

 

つまり、体幹部の筋肉がうまく機能することで、脊椎を安定させることができ、運動が効率的に行えるようになり、又怪我の予防になるのです

 

これは、体幹を意識した身体作りを行った方が良さそうですね。

 

表:体幹部の筋肉(グローバル筋・コア筋) f:id:INOSHISHI:20190605075840j:image

資料)姿勢の教科書 竹井著 2015.12.10

 

 脊椎の安定性と運動に関与しています。

 

コア筋    = 脊椎の安定性に関与

グローバル筋 = 脊椎の運動に関与

 

図:深部筋ー筋膜コルセット

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 資料)姿勢の教科書 竹井著 2015.12.10

 

❛腰椎の前彎には多裂筋の収縮が必要であるが、同時に腹横筋が両側性に収縮することで腹圧が上がり、腰椎の安定性は向上する。その機能を十分に発揮するには、上面の横隔膜、下面の骨盤底骨筋群の緊張が保たれていることが条件となる❜ 

 

体幹の深層部には、「腸腰筋(ちょうようきん)」という腰椎から大腿骨をつなぐ筋肉群があります。腸腰筋は腸骨筋と大腰筋からなります。ほかにも、おなか周りをコルセットのように包む「腹横筋(ふくおうきん)」や脇腹に位置する「内腹斜筋」、背骨の脇にある「多裂筋」、骨盤の底にある「骨盤底筋群」といった筋肉があり、それらがいわゆる“インナーマッスル”です❜

 

つまり、これらが上手く働くことで天然のコルセットが機能するようです。

この天然のコルセットが世間でよく言われているインナーマッスルです。

 

インナーマッスル体幹部のグローバル筋&コア筋

 

 

インナーマッスルに刺激を入れられる具体的なエクササイズとは。。。

 

図:ドローイン (引き込み法)

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資料)これだけ?プロが教える、太りにくい体幹トレーニング 2017/3/16

 

このエクササイズの名前は英語の「drawing-in (吸い込む、引っ込める)」に由来します。下腹部を下着のゴムから離すように、おへそを脊柱の方向にゆっくり引き込みます10秒間保持を10回実施するとよいですが、この時に呼吸は止めないようにします。

 

【ドローインの効果】

●姿勢が良くなる👉猫背や肩こり、腰痛などの改善につながる

●内臓の位置が正常化👉太鼓腹の改善などにつながる

●姿勢が安定して動きがスムーズになり、基礎代謝が上がる

●スポーツのパフォーマンスが上がる

●運動時のけがを防げる

 

 

腹横筋を随意的に活性化させることができます。リハビリの現場でも脊椎のコア筋を活性化させる為の基本的なエクササイズとして活用されています。

 

 

やってみることで。。。

 

このエクササイズは日常のどこでも実践することができます。やっている時も、傍目には気づかれないのはいいですよね。いかにも運動してますでは、個人的には恥ずかしいので(;^ω^)

 

体幹の筋肉を鍛えることは、運動選手だけでなく、全ての人に有効になります。

運動のパフォーマンスが上がるだけではなく、体質改善や見た目の若返りにもつながります。又、身体がリラックスできることで、自律神経も安定し精神的にもプラスに働きます。

 

つまり、心身共に有効で健康維持に繋がります

 

 

👇今回のブログ内容については、こちらを主に参考・引用させて 頂いておりますm(__)m

 

プロが教える、太りにくい体幹レーニング:日本経済新聞 https://style.nikkei.com/article/DGXMZO13476110Y7A220C1000000/

 

長々と読んでくださりありがとうございましたm(__)m

 

 

【引用・参考文献】

体幹ランニング 金哲彦

-姿勢の教科書 竹井仁

-運動器疾患の「なぜ?」がわかる臨床解剖学

刑務所が医療福祉施設化??その実態とは、、、

はじめに。。。 

 

先日、クローズアップ現代で「刑務所が終の棲家に⁈おひとり様が危ない」を放送されており医療・介護福祉領域に勤める者として大変興味深く拝見させてもらいました。

      https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4282/index.html

                             5/21(火) 22:00~

 

あらすじ

ひとり暮らしの高齢者が増え続ける中、貧困・孤立・認知症などを抱え、万引きなどの犯罪を繰り返し、刑務所が居場所になってしまう人が目立って増えている。とりわけ、男性よりも寿命が長く、ひとり暮らしの数も男性の2倍という高齢女性が深刻だ。刑務所、そして出所後の高齢者の密着ルポからその実態に迫る。

 

というものでした。

詳細は、上にリンクを貼らせていただきましたのでご参照下さい。

 

見ていての感想。

「えっ?ここって本当に刑務所?介護施設化していてびっくり」( ゚Д゚)

「刑務所内にもリハビリ職員が派遣されてサービスを提供するようになってるのか!」

「老後になったら誰しもあり得ることだなー。他人事ではないなー。」

 

刑務所の事に関しては、全く別世界のお話だと考えていたのですがどうやらそうではないようでした。超高齢化と世界に先駆けてどんどんと高齢化率が上昇していく日本。

これからの未来に向けて、実態について考えていきたいと思います。

 

 

刑務所の中は今どうなっているのか。。。

  

下は、平成元年から28年までの新受刑者の年代別内訳です。

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 資料)2017年12/19「老いる受刑者変わる刑務所」(NHK)

 

20~30代の新受刑者が減少しているのに対して、高齢者が10倍に増加しているようです。又、ヨーロッパ各国と比較しても日本は高齢者の割合が高くなっています。犯罪の内容としては、「万引き」が非常に多くて、又再犯率が高いようです。

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資料)2017年12/19「老いる受刑者変わる刑務所」(NHK)

 

万引きの理由についてです。 

f:id:INOSHISHI:20190602063139p:plain 資料)2019年5/21「クローズアップ現代」(NHK)

 

❛福祉分野で「困っている人」というのには共通点が2つあると言われているんですが、1つは「いろんな課題が重なっている」。例えば「困窮してる」「経済的に苦しい」ことと「病気が重なる」とか、あるいは「自分の大事な家族が亡くなる」「離別をする」というような「困難が重なる」ということ。もう1つは「社会から孤立をしている」ことが共通点だと言われているんですけれど、この調査結果を見てもよく分かりますね❜

 

それらの実態を受けて政府は、「再犯防止計画」(2017年12/15)の中のポイントの1つとして高齢者への対策強化を盛り込んでいました。

 

 ①関係機関における福祉的支援の実施体制等の充実

 ②保健医療・福祉サービスの利用に関する地方公共団体等との連携の強化

 ③高齢者又は障害のある者等への効果的な入口支援の実施

 

内容については、

入所中は、必要な人に適宜アセスメントを行い、介護福祉サービスの提供をする。適切な関りができるように中にいる職員への教育をする。

釈放後に、再犯させることがないように保健医療・福祉サービスへつなげられるような対応を講じる。そもそも、入所させる前に水際で食い止められるように、地域でも連携を図り適切な対応方法をとれるよう教育する。

 

 というような、負の回転扉を食い止められるようにするためのシームレスな関りができるように盛り込まれていました。

 

 

今後についてはどうなっていくのか。。。

 

❛罪を犯した人たちは、私たちと全く同じ人間です。彼らを、仮に刑務所に入れても、必ず社会に戻ってくるんです。自分もいつ、ああなるか分からない。社会的に孤立してしまった時に、あるいは認知症になった時に、もしかしたら、そうなるかもしれないということに気が付いてもらって、自分の問題として、きちっと考えてもらうことが何よりも大切です❜

 

❛「刑務所から出てきた人たちにとって一番大事なことは何か」ということでよく言われるのは「居場所」「出番」。味方がいて、自分が居づらくない場所があるということと、それだけではなくて、自分が少しでも誰かの役に立てるとか、誰かに感謝される、「ありがとう」と言ってもらえる場所が大事だと言われています。これは、定年退職したお父さんも同じ。だから、みんな同じだと思うんです。「居場所」「出番」を作っていくことが大事だと思います❜

 

 

 居場所役割作り

 

ありのままの自分を認めて安心できる場所があって、自分のできる役割がもてること。

 

これをマズローの欲求」に当てはめてみたいと思います。

すると、それが満たされることで人の欲求での「欠乏欲求」が満たされることにつながっているのではないでしょうか。

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安心できる場があり自分の役割があることで、他者への関心が向き人の為に何かをしよう!とか、もっと自分自身を高めていこう!という気持ちが芽生えていくのではないでしょうか。

 

最後に。。。

アドラー氏が

人間の悩みは全て対人関係の悩みである

と、提言されています。(参考書籍:嫌われる勇気)

 

詳細は割愛させていただきますが、人は基本的には孤独には耐えられないし、だから他者と関係を持たなければ生きていけない生物である。

他者に対して、愛着を感じるのか敵対心をもつのか。それによって、生きやすさも変わってくると思います。

今回の話題に当てはめてみると、自分の居場所や役割を持ち続けるためには、他者を受け入れ認めること、最低限度でも関りを持つことが大事なのかなぁなんて考えました。

 

皆様はどのように考えられておりますでしょうか?

 

 

ここまで、長々と読んでくださりありがとうございました。

 

 

 

 

すぐやる!ためには...行動変容の為のコツ

新年や新年度の始まりにはヤル気に満ち溢れた状態でした。仕事も運動も日々ルーチン化させて1日1日を積み重ねていました。

それを5月の新年号後もずっと保っていたかったのですが...。

しかし、何をやるにも気力が起こらず行動するのも億劫になり最低限度の事をこなすだけで、あとはだらだらしてしまう状況。

これは、「五月病」というのでしょうか(;´・ω・)

心身のコンディションは、年間を通して一定ではないです。

それは、サーフィンに例えるとフラット(波がなく穏やかな海面)でなくジャンク(海が荒れている)コンディションでサーフィンする場合でも波がグチャグチャで乗りこなすのが難しい状態...(自分自身はサーフィンは門外漢です(^^;)。勝手な例えですみません)

 

そんな時は、自分のやる気の問題だ!!とか、頑張りが足りない!!

とか、人は自分を責めてしまいます。

 

精神論や根性論で自分を鼓舞させ行動を変容させようとします。

 

ですが、そういう事を試みてもメンタルが強く自分を意志の力でコントロールできる方ならばよいのですが、私の場合はついつい意志の力が弱いので一時的には成功しても、長期間長続きがしないのです(;´Д`)

 

そんなときの行動変容の為のコツについて下記の本では記載があったのでご紹介したいと思います。

こちら、前回も紹介させていただいた同業者の菅原先生の著書になります。 

 

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本の内容については、脳の仕組みや性質を説明しながら

脳を「すぐやるモード」にもっていく為のコツを紹介しています。

 

●「やるべきこと」にすぐ手をつけるためには

👉物の置き場所を一定にし、必要なもの以外の余計なものは見せない

 

何となくそこにあるからやってしまう、食べてしまう...と無意識に行ってしまう行為をあらかじめ見せないことで断ち切ってあげる。

私の場合は、何となくテレビをつけて見始めてしまう。何となくお酒を飲み始めてしまう事がありましたが、見せないことでそれらの何となくの行動を断ち切りやすくなりました。

 

●「ひとつのこと」を終えた後、「次」にとりかかるには

👉フィードフォワード型の脳」にする為に、脳が「次の行動」を予測出来るところまでは、「前の行動」を途切れさせずに連続させる

 

私の場合は、とりあえず食器を一枚洗ってみよう。とりあえず運動するための服装に着替えようと行動すると、意外とお皿を全部洗ってしまったり、運動を行いやすくなったりしました。

 

●すぐやる集団、すぐやらない集団...「すぐやらない」は伝染する?!

👉「すぐやらない人」の方が伝染力は強い。

  真似したい人がいたらその人の近くに身を置き、その人の仕草を脳に真似をさせる

 

環境の影響は強いので、なるべくレベルの高い方々の集団に身を置くようにとは心がけるようになりました。まずは、真似をするところから始めたいと思います。

 

●「脳が勝手にやる気になる」言葉の使い方

👉「経験的な言葉」で表出することで、脳が次にどのように動けばよいかシュミレーションしやすくなり、「すぐやる」の引き金になる

 

自分が経験したことをそのままで完結させずに、その体験を言葉として表出することで、次の時に再現できやすくするようにもっとアウトプットしたいと思いました。

 

●「やればできる」という言葉でかえって「本気」が出せなくなっていた?!

👉「ここまではできる」と到達点を具体的にし、スモールステップで行動する

 

これは苦手でよく言うだけ言って行動が途中で挫折しやすいです(;´Д`)

スモールステップで少しずつ実績を積み上げていきたいと思います。

 

●「すぐやるスイッチ」をすぐ入れる簡単な方法

👉意識的に自分の身体が自然に動く状態になっている時の言葉=「使う言葉」を変えることで、自然と「すぐやる脳」になる

 

ネガティブでなくなるべくポジティブな言葉を使うことで、前向きな気持ちになり行動しやすい気がしました。ネガティブな言葉を使っている時は、物事や人に対し否定的な事ばかり考え行動が鈍りやすい気がしました。

 

●行動力が劇的に上がる「触る力」活用法

👉触覚が豊かになると、身体が動きやすくなる

 

どうしようかなーと悩んでいる時には、頭で考えすぎず、とりあえず動いてやってみる事でうまくいくことがありました。

 

●「なんとなくいつもネガティブ」の原因は、「脳の慢性疲労」にありました

👉日常の生活を限りなくルーチンにして、筋肉が新しい情報を届けないでも済むようにする

 

余計な選択で脳を疲労させないようにする。いつも服装を同じものにする。いつも朝食を同じものにする等。かの有名なスティーブ・ジョブズ氏はいつも上下黒の服装を着ていましたがこの様な理由でそうしていたようです。

 

 

小さい文字の部分は私自身の体験や私見になります。

 

思考≠脳 ではないです。

 

脳の性質を知ることで、脳に支配されずに手綱を引いてうまく自分がコントロールすることができるのです。

 

という事が、本の中でまとめられています。

 

 

長々と読んでくださりありがとうございました。

Let's Try! マーブリング染め編

今回は「マーブリング染め」を体験したいと思います。

 

マーブリング染め(墨流し)とは...

”ハガキや和紙、ファイバークラフトペーパー等を材料として、マーブリング液に染める作業です。染め上がった紙を材料として貼り絵やランプシェード等の作品を作れます。”

                        引用)作業―その治療的応用 P72

ファイバークラフトペーパー:水でぬらすと柔らかくなり、乾燥すると元の固さに戻る紙

 

染め上がりは、意外性があり最後までどうなるか分からないのが興味をそそられる活動です。

 

材料・道具

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マーブリング専用の絵の具(¥972(税込み))
染める紙(今回はコピー用紙)

平らなトレー(食品トレー等でも代用可能)

竹串

新聞紙

 

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今回のマーブリング染めの絵の具は6色のもの。

 

作業工程

準備:トレーに水を深さ3㎝程度入れます。水の表面にホコリや油分が浮いている場合には、新聞紙で汚れを取り除きます(汚れが新聞紙に吸い取られて、インクの広がりが良くなります)


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①フロート紙を水に浮かべる  

②インクをフロート紙の上に落とす

色が広がらない場合竹串で少しフロート紙を水に沈めてみてね 

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③④インクをフロート紙の上に更に落とす

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⑤⑥インクをフロート紙の上に更に更に落とす

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 ⑦模様を作る 竹串を使って自由に色を動かす

⑧出来た模様を紙に写し取る 模様の上に空気を巻き込まないように軽くそらして静かにかぶせる

 

※(かき混ぜるように動かすとインクが水と混ざり合い仕上がりが悪くなるので

、必ず静かにゆっくりと動かします)

 

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⑦の時に、吹いてみたり(ストロー使っても良い)他の方は、櫛を使って(目の粗い平面のもの)模様を作っていました

  

  

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 ⑨紙を引き上げる 

⑩紙を表面を下にして、新聞紙に置き上からも新聞紙を被せて余分な水分を拭きとる

 

⑩の工程を無視して、そのまま転写した紙を上向きで新聞紙に置いた結果がこちら

  

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余分な水分が浮いてしまい汚れとして残ってしまいました(;∀;)           


なので、再度リベンジ!!!⑩の工程をしっかりと行いました

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柄はまあご愛敬ですが、余分な水分がないので汚れはありません。

 

 今回は、挑戦編ということでマーブリング染めをまとめてみました。

完成度は低いですが、実際に行う際のきっかけになればと思います。

 

感想

インクが動いて模様が作られていく様子は思わず見とれてしまいました。

紙を裏返してみるまで、出来栄えが分からないドキドキ感はたまらないです。

今回は、コピー用紙で行いましたが又違った素材の紙やその他の物でも扱ってみたいなと思いました。

終わった後、両手がインクまみれとなり汚れを落とすのが大変だったので気になる方は、エプロンしたりビニール手袋を使ってもよいのかなと思いました。

 

ここまで、長々と読んでいただきありがとうございました。

多発する高齢者による自動車事故とニュースで報道されているがその実態は?

最近もまた、ニュースで高齢者による自動車事故が各地で発生しています。

その原因で出てくるのが、「アクセルが戻らなかった」「アクセルとブレーキを踏み間違えた」「気が付いた時には遅く間に合わなかった」「道路を逆走していたと気が付かなかった」等々。高齢者以外の自動車事故ではあまり考えられない原因が挙げられています。

 

そうすると、高齢者運転⇒危険⇒免許返納とニュースを鵜呑みにして安易に脳内で変換してしまいがちですが。今回は、その実態について少し深掘り出来ればと思います。

 

そもそも、高齢者の運転事故は増えているの?

 

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75歳以上の運転者の死亡事故件数は,75歳未満の運転者と比較して,免許人口10万人当たりの件数が2倍以上多く発生しています。”

 

75歳前後での年齢による差は2倍以上であり、死亡事故に関しては(後期)高齢者による件数は多いといえます。

 

高齢者運転者の特性については、

 

”高齢運転者の特性については,年齢や体力,過去の経験等によって大きな個人差が認められる

ものの,一般的に,

  • 視力等が弱まることで周囲の状況に関する情報を得にくくなり,判断に適切さを欠くようになること
  • 反射神経が鈍くなること等によって,とっさの対応が遅れること
  • 体力の全体的な衰え等から,運転操作が不的確になったり,長時間にわたる運転継続が難しくなったりすること
  • 運転が自分本位になり,交通環境を客観的に把握することが難しくなること

などが挙げられており,これらの特性が,75歳以上の運転者が死亡事故を起こしやすい要因の一つになっているものと考えられる。”   内閣府HPより.H29年交通安全白書(概要)

 

つまり、個人差はありますが

 

 感覚機能の低下(視力等)

 運動神経の低下

 持久力・耐久性の低下

 判断力・問題解決能力の低下

 

が生じてくることにより、経験値だけではカバーできない機能低下が起こることにより事故を起こすリスクは高まりやすいといえます。

 

 後期高齢者の運転手による死亡事故件数・割合と要因について

 

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”また,75歳以上の運転者による死亡事故について,件数自体は10年間ほぼ横ばいで推移しているものの,死亡事故件数全体が減少する中,全体に対する構成比は上昇傾向にあり,平成28年は全体の13.5%を占めています。”

 

過去と比較して、昨今急に件数が増えたというわけではないようです。ですが、今後も全体に占める割合は高齢者人口の増加と共に上昇すると予想されます。

 

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”高齢運転者による交通死亡事故を類型別にみると,75歳以上の運転者による事故は,車両単独事故の割合が多くなっており,全体の40%を占めています。具体的類型としては,道路上を進行中,運転を誤って車線を逸脱し物件等に衝突するといった工作物衝突が最も多く発生しています。”

 

車両単独という事は、なにか対物・対人がきっかけがあって発生したのではなく、自己発生的に事故を起こしている人が多いという事ですね。

 

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”また,高齢運転者による交通死亡事故の人的要因をみると,75歳以上の運転者はハンドル等の操作不適による事故が最も多く,次いで内在的前方不注意(漫然運転等),安全不確認の順に発生しています。さらに,ハンドル等の操作不適による事故のうちブレーキとアクセルの踏み間違いによる死亡事故は,75歳未満では死亡事故全体の0.7%に過ぎないのに対し,75歳以上では5.9%と高い割合を示しています。”

 

よくニュースでも原因として取り上げられている、「ブレーキとアクセルの踏み間違い」がハンドル等の操作不適の中でも割合が多いようです。

 

 

まとめにかえまして、

 

高齢者運転者の交通事故件数については、横ばいではあるが全体から占める割合から考えると、75歳を境界にして75歳以上の後期高齢者の事故件数の割合は2倍以上であり高い割合を示しているようです。

 

また、事故のきっかけや原因としては、車両単独のもので自己発生的に事故を起こしており、その原因としてはハンドル等の操作不適によるものが多いようでした。

 

車両単独による事故に関しては、原因が本人によるものであるので、そういう運転をするリスクのある方にはそもそも運転をさせないという危険運転をさせない予防対策が重要ではないでしょうか。

ハード面に関しては、今後の自動運転機能の進歩への期待。

ソフト面では、周囲の人達が当事者に関して運転をさせないように配慮する対応や、危険運転をするリスクがある方無い方の境界線の見極めが重要だと感じました。

一つのポイントとしては、「75歳」というのがターニングポイントではないかとも感じました。

 

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高齢化率は今後もどんどんと上がってくる中で、この問題についてはやはり見過ごせないものだと感じます。

 

長々と読んでくださりありがとうございました。

今回は、高齢者運転に関する実態のみをまとめさせていただきました。

今後、それに関しての対応・対策等についても後日まとめさせてもらいたいと考えています。

 

≪参考・引用≫

内閣府・警視庁の交通安全に関するHP