片足立ちと歩行と筋力

運動に関して、これまで「体幹トレ」「姿勢」についてその有効性を記事で書かせていただきました。

 

今回は、「片足立ち」をテーマに健康維持やパフォーマンス向上のために役に立つ情報を書かせていただきたいと思います。

 

最初にこちらの画像をご覧ください。 

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2019年7月号の「ランナーズ」の表紙です(マラソンに関する情報誌)。この中に「片足立ち」の有効性について取り上げられております。

 

“ランニングの動作は「片足立ち」と「ジャンプ」の繰り返しですよね。だから、「片足立ち」をした時に身体の「グラつき」を抑えられるようになるとランニング中、着地した瞬間の「グラつき」もなくなる。”          一部抜粋

 

 

ということで、今回は「片足立ち」をテーマに記事を書いていきたいと思います。

 

 

【内容】

●なんで歩くのが遅くなったり、物につまづいて転びそうになってしまうのだろうか

●片足立ちをすること

●片足立ちの効果

●習慣化することでこのようにパフォーマンスを改善できる

 

 

 

●なんで歩くのが遅くなったり、物につまづいて転びそうになってしまうのだろうか。。。

 

歩き方で、ちょこちょこ小股歩きになっていたり足が床から上がらずにすり足になってしまう事はないでしょうか。

障害物では、段差を跨ごうとして足が引っかかったり、傾斜に足がとられそうになることはないでしょうか。

 

原因疾患がない場合には、それは筋力低下バランス能力の低下が考えられます。

 

以前の「姿勢」の記事体幹筋力についての内容を記載したので筋力低下に関しては、そちらも参照下さい。

 

バランス能力については、リハビリの現場の中でも評価項目として取り上げられています。高齢者のサルコペニア(虚弱体質)を簡易的に検査するためのShort Physical Performance Battery(SPPB)にも入っています。又、転倒するリスクを調べるバランス検査のFunctional Balance Scale(FBS)も同様です。

その中では、バランスをとる姿勢も段階的にレベルが異なるのですが、その中で「片足立ち」はレベルの高い姿勢となります。

 

 したがって、片足立ちをとることは転倒予防につながり、更に日常でのパフォーマンスを向上させる可能性を持っていることになるのです。

 

 

●片足立ちをすること。。。

 

“60 歳を過ぎると開眼片足立ちは急激に減少し,5 秒以内の者は転倒ハイリスク者とされている ”

 

つまり加齢と共に低下してしまう能力で、転倒との関連性が高いのです。

 

こちらは、20歳~59歳までの男女の閉眼片足立ちの能力の基準値の表です。

(60歳以上のデータは見つけられることができませんでした。)

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こちらも、25歳~29歳をピークに下降線をたどっています。

片足立ちを長時間取れることは、転倒なく元気に生活を送ることができるのです。

 

“「まともな歩き方」は、踵を床につけて安定した片足立ちを行い、反対側の足が床についたときに一時的に両足立ちになり、その後、重さのかかっていた踵を浮かせ不安定にして前に移動し、再び片足立ちをしています。”

 

つまり、歩行しいては走行についても片足立ちが関係してくるのです。

 

●片足立ちの効果。。。

 

“重心の動揺を吸収できる体(関節や筋肉)の柔軟性やブレに耐えられる大腰筋などの体幹支持筋の筋力なども関わっており、ストレッチや筋トレも効果的です。さらに、片足立ちなどのトレーニングをすることで、より少ない筋緊張でバランスがとれるようになることも解っています。”

                                                  

“1分間の開眼立ちを1日に3回(左右で計6回)行うと、太ももの付け根に加わる負荷量は、理論上はなんと、両足で53.3分間歩いたのと同じだというデータがあります。これにより骨が強くなって、転倒防止効果も高まります。”

 

“体を動かすと血流が良くなり、病気だけでなくストレスの発散や精神安定にも一定の効果が見られます。運動は脳にもある程度の刺激を与えるので、もの忘れや認知症の予防にも役に立つと言われています。“

 

体幹筋の筋力向上、筋出力の省エネが期待できます。

・骨が強くなります。

・精神の賦活、認知症予防にもつながります。

 

●習慣化することでこのようにパフォーマンスを改善できる。。。

 

片足立ち

やり方は、腰に手を当てて片足をゆっくり上げて10秒間静止後、ゆっくり下ろします。

いつでもどこでも、回数も何回でもOKみたいです。

 

普段の姿勢を意識して、体幹筋が働きやすい状態にして、時々片足立ちを日常に取り入れることで健康維持・向上、運動能力の向上につながると思います。

 

 

 【引用・参考文献】

 ・ Vellas BJ, Wayne SJ, Romero L, et al.: One-leg balance is an important predictor of
  injurious falls in older persons. J Am Geriatr Soc 45: 735-738, 1997.

 ・日本健康運動研究所HP「健康運動の知識と実践より」

日本医師会HP「健康トピックス」

・日本介護予防協会HP「高齢者にぴったりの運動やレクリエーション」

日本経済新聞 HP「筋力維持に30代から始めたい「片足立ち」」